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初めてのガーデン講座 / 多田紳也

 9月24日 自身初めてのガーデン講座を一般のお客様と行いました。会場はやはり私のお客様が経営されてる喫茶店。看護師を定年いっぱいまで勤められて、今年の四月にオープンされたとても素敵な喫茶店です。当日は会場の定員いっぱいの15名のガーデン好きな方々にお集まりいただいて、ミニバラとミニスイセンの寄せ植えを楽しみました。

講座当日から遡ること2年前。
徳田先生から「ガーデン講座をしてみませんか?」とお声をかけていただいた時には驚きつつも「自分には無理だろう」と真っ先に思いました。その時の自分にはピンとこなかったというのが正直な気持ちかもしれません。 それまでもお客様から頼られるガーデンデザイナーを目指すという気持ちはありましたが、今にして思えばどこか焦点の定まらないぼやけた状態だったのだと思います。 それから2年の月日が経ちました。 再び徳田先生からお声をかけていただいた時、今度は自分でも驚くほどすんなりと 「やります」と言っていました。2年の間に自分のやるべきことがもう少し明確になっていたのかもしれません。

ただ、返事をしたのはよいのですが、何を話せばいいのだろう?ということから始まって全てのことが白紙状態。私の中では「先生」として「生徒さん」になにかを「教える」という気持ちにとらわれ、自分が教えられる事柄を一生懸命探っていました。 お盆の頃、徳田先生にわざわざ長野まで作戦会議に来ていただき、ミニバラとミニスイセンの寄せ植えでいきましょう!と題材は決まりました。その時も私はこの寄せ植え講座を開く真の意味をはっきりとは理解できてなく、ただ「寄せ植えを教えるのか。よししっかり勉強しなくては」と新米先生らしく気合いを入れておりました。  

この考え方と気合いが間違った方向だと気づいたのは、講座開催のわずか2週間前。講座のシミュレーションを練っている時、徳田先生がおっしゃったのです。「教えてあげるんじゃない。情報をシェアするだけですよ。みんなと一緒に楽しい時間を過ごすという事ですよ。」と。 私はハッとしました。講座=私は先生、お客様は生徒、役に立つことを教えなければ、と考え、必要以上に肩に力を入れて必死に頭を回転させていました。 ところが、先生のおっしゃる「シェア」というのは、同じガーデンの好きな仲間にたまたま私が知っている情報を共有する、という事でした。

実は、この感覚、考え方こそが講座に限らず全てにおいて肝になる事でした。教えてあげるという考え方には人間関係を上下に見ているという気持ちが入っています。だから自分は生徒さんより偉くなければいけない。意識はなくともどこかにそういう気持ちがあったのでしょう。でも、たまたま自分はガーデンデザインという仕事につき、たまたま他の人よりその部分について少し詳しいだけ。他の人は私の知らない情報を知っているだろうし、情報を知る順番が違っているだけ。知ってるから偉いのではなく、知らないから下ということではありません。 だから、「教える」のではなく「シェア」するんだという事に気づきました。

それからは、妙なところに肩肘を張っていた気持ちが楽になり、シミュレーションを考えながらも楽しくて仕方がなくなり、当日が楽しみにさえなっていました。 そして迎えた講座当日。最初は緊張で上手く口も回らない状態でしたが、皆さんと寄せ植えを作る頃には、気の合う仲間と一緒に楽しんでる感覚で、今までお客様と接していた時に感じたことのない距離感と楽しさを味わいました。 最後には皆さんから「次はいつやるの?」「絶対来るから教えてね」なんていうありがたい言葉をいただき大いに盛り上がって無事講座はお開きとなりました。

講座が終わってから、多少興奮した頭で考え、ふと思いました。 ガーデンというのは、こういうことなのだと。 上下でもなく、対立でもありません。 共に楽しい素敵な時間を共有すること。これこそガーデンの意義なんだな、と気づきました。それは人間同士のコミュニケーションでもあり、植物同士のコミュニケーションでもあり、人間と植物とのコミュニケーションでもあります。それぞれが共生して素敵な時間、空間をつくりあげる。これこそがガーデンなんだと、今回の講座初体験で実感させていただきました。講座の題材を決めた当初、先生も私も普段は実際のお庭を作っているのに、その規模の仕事をしている人間がなぜあえて寄せ植え講座?とどこかで思っていたのかもしれません。でも、プランターの中のミニバラも、広いガーデンも、人間関係も全て同じだったのです。

今回の講座を通じて、快く会場をご提供いただき、さらに講座に関しても色々とご協力いただいたオーナーさん、同じく色々と協力いただいた勉強会の仲間、私の会社のスタッフ、お忙しい中、最後の最後までご指導いただいた徳田先生、そしてお集まりいただいた皆様、全ての人たちとの素敵な関係こそがガーデンを作ることと同じだということに気づくことができました。 皆様、本当にありがとうございました。これから、さらに楽しく素敵な講座をやっていきたいです。そのことでさらに沢山のことを学び、沢山の方たちと出会い、もっともっと多くの素敵なガーデンを設計していきます。


多田紳也

奈良県出身。長野県松本市在住。
広告代理店の営業職、インテリア会社、リフォーム会社、造園会社勤務を経て
現在、株式会社 空間設計soboを経営。
株式会社 空間設計sobo http://www.k-sobo.com/ 

ガーデン仲間によるリレーエッセイ We love Garden

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