日本ガーデン・コンダクター協会では、様々なガーデンの講座を開催しています!

寄り添い、考えることの大切さ / 阪田恵子


 ドングリみつけました



 色々な表情をみせてくれるドウダンツツジ

 ケヤキの葉の絨毯

 木の葉が色付き始め、いろいろな色に出会える季節になってきました。 そして美味しい季節でもあります。どんな時をお過ごしでしょうか。

随分前、想い迷い挫けそうになっていた時、毎日通勤するのに通っていた道でしたが、ふと初めて、木が立っていることに気づきました。その後、毎日目にするようになり、ある朝、太陽に向かって一心に伸ばしている枝と、そこへ休みに飛んで来た鳥を目にした時、何故か涙が溢れていました。おかしいですが、何だか救われた気がしました。

そんな事があってから植物について、もっと知りたいと思うようになりました。本を買って読み、植物を植えて緑が増えたら、幸せな人も増え、変な事件も減るのではと本気でそう思っていました。

暫くして、先生に出会いガーデンを学び、それまでの考えに配慮が無かったことを知りました。相手や植物に寄り添い、見えないものに思いを馳せる… ただ闇雲に植えても植物を不幸にするだけでした。人との接し方もそう。そこに置くことが大事なのではなく、そこに置いたら、その先どうなるかを考えることが大切…

ガーデンを学び始めて、"全てに理由がある"ということにも衝撃を受けたのを覚えています。それまで、考えるということをきちんとして来なかったため、宿題の図面や絵に描けば描くほど、自分の駄目さが露になり、思っていることが出来ない自分が嫌でした。でもそれもまた、相手のことや、先のことを考えられておらず、結局のところ自分のことしか見えてなかったのです。今もまだまだなのですが。。

ガーデンとは違う仕事をしていますが、仕事との向き合い方も、人との向き合い方も、変わりました。

今ここに居られるのは、周りの人や、その周りの人を支えている人、それから生きものたちにも支えられて、活かされているのかなと感じています。

独りだけど、独りじゃない。苦いこともありますが、努力する楽しさや、積み重ねの大切さを教えて頂いたので、周りの方々へお返しできるようにひとつずつ出来ることを増やして行き、それをまた知らない方へ、ちょっとしたきっかけになれれば嬉しいです。表情豊かな秋となりますように。


阪田恵子
広島県生まれ。高校卒業後、東京へ。現在はIT企業の派遣社員。
最近嬉しかったことは、触れなかったネコと友達になれたこと。

 編集長コラム  今月の~ingな人

「やりたいこと」は後回し!

ガーデンの講座と聞くと、たいていの人は「どんな花を選んで、どこにどんな風に植えればいいか」「病気や害虫が出たら、どう対処すればいいか」といった園芸の知識と技術を学ぶとイメージするでしょう。

とにかく好きなハーブを上手に育てられればいい。私もそんな風に考えてガーデン・コンダクターの講義を受講した一人です。ところが徳田先生からは毎回、ガーデニングとは関係ないような話ばかり出てくる。面食らいました。でも、よくよく聞いていくうちに、阪田さんと同じように「全てに理由がある」と気付いたのです。

私のような素人は、「この花を植えたい」「このレンガを敷きたい」という「やりたいこと」からものを考えがちです。「この花はここに植える/植えてはいけない理由がある」なんて、考えもしません。例えば、湿った場所が好きな木をカラカラに乾く場所に植えたりしたら枯れてしまうでしょう。うまく育たないのには理由があったのだと気付いた時、私は思わずうなりました。

理由があるのにそれを無視し、「自分がやりたいこと」を持ち寄っても、バランスいい庭ができるはずがない。「手をつけられる場所から植える」といった言葉も聞こえはいいけれど、パーツを積み上げていっても行き着く先はどこかわからない。

細部から考え始めてはいけない。まず「時間」と「空間」を把握して、大枠=グランドデザインから考え始めなければいけない。徳田先生は繰り返し、その基本的な考え方を説いていたのです。

そういえば、雑誌のページを作るという本業の仕事でも、コンセプトという大枠から考え始め、細部に落とし込んでいたなあ、と改めて実感。ガーデンの授業のおかげで、大枠を強く意識するようになり、頭の中がより整理できるようになったことも、自分にとっての収穫です。

「大枠からとらえる」「俯瞰して見る」という基本姿勢は、どんな仕事にも共通するものだと思います。最近は、例えばクローゼットを片付けるといった〝日々の暮らしごと〟にも使える考え方だと気付き、一人で小さく感動しています。

 来るべき気候変動や資源枯渇などに備えて、野生植物の種子を保存する。未来を視野に入れた活動に感動しました。(イギリス、キュー王国植物園のミレニアム・シード・バンクの展示)

編集長/奈良貴子
フリーライター、ガーデン・コンダクター インターメディテイト修了

ガーデン仲間によるリレーエッセイ We love Garden

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