日本ガーデン・コンダクター協会では、様々なガーデンの講座を開催しています!

命を学ぶ / 鰐川 由香

 総合的に考える事の大切さを教えてくれたガーデン。 仲間たちとの出会いももたらしてくれました。(写真提供:徳田千夏)

 この花壇のように力強く・・・。 仲間たちと心から向き合う事で足りない所を補っていきたいです。(写真提供:徳田千夏)

 ゆっくり、少しずつでも豊かに実るよう、自分にできる事を続けていきたいです。

夏の猛暑も過ぎ去り、やっと秋らしい空気を感じるようになってきました。歩いていると、周りの植物たちもかなりほっとしているように思えます。私が「ガーデン、ガーデン設計」という世界に出会ってから8・9年程の年月がたちます。「人は何歳になっても、自分次第で新しいスタートをきることができます。」という言葉に触発され、少しずつではありますが、自分のリズムに合わせて学び続けてきました。

そうした日々の中で、ガーデン設計を教えてくれる先生、一緒に働き・学ぶ仲間と出会い、現在はガーデンの仕事から離れてはいますが、思いを共感できるすばらしい仲間たちとの出会いは、宝物となっています。

以前、私はガーデンというと、「綺麗なお花が咲き
癒してくれる場所」で、表面的な部分を楽しむだけと感じていました。学び続けてきて、ガーデンとは、「植物たちが本来の姿に近い状態で生き生きと育ち、そこに人々が集い、笑顔あふれる場所」・・と、今は感じるようになりました。ガーデンを学ぶ者として必要な事とは植物に対する深い愛情と、想像力、責任感。更にガーデン設計となると、植物だけの知識のみならず、構造のようなハードの部分なども考慮しなければならないのだと学んできました。

このように「総合的に考える」という事はとても
大事であり、日々の仕事の中でも実感しています。
そこに共通する事は、自分以外の人の立場にたって
物事を考え、行動できているか?という点です。ふと気づくと自分自身の事しか考えていない時があります。共に働く人たちへの配慮はいつのまにか自分自身へ向けられてしまっています。自分自身の芯の部分を残しながら臨機応変に、なおかつそれぞれに適した方法で対応できているか。うまくいっている時には、油断し気づかぬうちに芯がぶれ始めてはいないか。いざ全体を考慮しまとめようものならば、複雑すぎて疲れ果ててしまう事もあります。こうした事は仕事だけでなく、私生活でも同じ事があると感じますが、私はそう思ってはいても全く実践ができていません。

昨年から、ガーデンから学び培われた思いを同じくしている仲間と、自分たちにもできる事を探す為に集まり少しずつ形にしようとしています。年代も、職場・職種・生活環境などさまざまな仲間です。活動の中で話し合い、行動を共にしながら、思いや考えはきっと同じと思っていてもコミュニケーション不足を感じました。本当に心の底から話し合う事の難しさにも直面しました。そういう私こそ、人と心から打ち解けるのにとても時間のかかる人です。どうやって自分を出したらいいのかも実はよく分かってはいなく、足らない所ばかりです。けれどここでできた仲間は、私が本気で相談をしたら、本気で答えて向き合ってくれようとしています。どこまでもまっすぐに接してくれようとする人や「こうではない?」 と方向性を示してくれる人。そんな素敵な仲間と出会えて私は本当にラッキーです。大人になってから、利害関係なく接してくれる仲間は、なかなか作れるものではありません。仲間に感謝の思いでいっぱいです。

ガーデンがゆっくり、時をかけて豊かなものとなり、世代を超えてずっと続いていくように、私も仲間とお互いの時間をより大切にし、充実させていきたいと思います。その為には自分自身が成長し、仲間に伝えていけるようにならなくてはいけません。ラッキーだなぁと受け身でいるだけではダメですね。

毎年、毎年、少しずつでも実り、いつか豊かな秋が迎えられるよう、頑張りたいと思います。

 


加藤江津子
東京都杉並区在住。大学卒業後OLとして働く。その後の花屋さんのアルバイトで「ガーデン」の世界に出会い、現在は勉強中。好きな事・ものは愛犬のチワワとの散歩、温泉と銭湯、花火鑑賞、ビアガーデン。

 編集長コラム  今月の~ingな人

メンドウクサイけど大切なこと

三人寄れば文殊の知恵と言いますが、三人集まれば争いも起きる――
人間は本当にメンドウクサイ生き物です。

だから1人で生きるのだ、という人もいますが、1人でできることには限界があると私は思います。フリーランスで仕事をしているからこそ、それを強く感じるのです。私は文章を書くのが専門ですが、現場では編集者、カメラマン、デザイナー、スタイリスト、ヘアメイク…etc.と、さまざまな専門家とチームを組んで仕事をします。

なごやかな雰囲気のなか、充実した取材が進むことも多いのですが、ギスギスした雰囲気になることもあります。その違いは、ずばり「人」にあります。プロが集まる現場は、仕事をしていて気持ちがいい。まず、それぞれが自分の仕事に誇りを持っている。持ち場をわきまえ、お互いの仕事を尊重している。全体の流れをよく理解し、相手の動きを察して、何かあれば進んで手を貸す。そうではなく、だらだらとおしゃべりを続けたり、他の人を待たせていても気にしないで作業を続けたり、準備不足で周囲を慌てさせるような人が混じっていると、現場はぐずぐずと崩れていきます。

ガーデンの仕事現場も、いやチームを組んで何かを進めるときは、すべてこれと同じだと思います。そこで何よりも大切なのは、「自分目線」ではなく「相手目線」で考えることではないでしょうか。自分目線とは、例えば「私はこれがいいと思う。あなたもいいと
思うでしょ」と、独りよがりな言動や行動をとること。一方、相手目線とは「これを言ったら、相手はどう感じるか」「どんな風に表現すれば、相手に思いが伝わるか」などと考え抜くこと。多くの人が関わる場面では、こうして相手のことを考えながら、着地点(徳田先生の口癖ですね!)を探すことが大切だと身にしみて感じています。

人間関係はメンドウクサイ。でも「大事なことってたいてい面倒くさい」(宮崎駿監督の言葉)。行き違いもよく起こるけど、それを乗り越えた先には、かならず新しい景色が見えてくる。それに、みんなで知恵を持ち寄れば、一人では怖くてできないことも、思いきってできちゃう気がします。

 はるか遠くの丘に見えるのは、ウィルミントン村の「ロングマン」。 イギリスの丘絵(ヒル・フィギュア)の一つで、6世紀頃製作といわれています(1874年に復元)。 高さ70m、幅71m。こんな巨人の絵、一人の力じゃ絶対描けない!

編集長/奈良貴子
フリーライター、ガーデン・コンダクター インターメディテイト修了

ガーデン仲間によるリレーエッセイ We love Garden

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