日本ガーデン・コンダクター協会では、様々なガーデンの講座を開催しています!

「~ing」を表現すること / 徳田千夏

今年の春は、気温の寒暖差が10度を越える日々が長く続きました。寒さや寒暖差に強い植物はシャキッとした表情もみせたりしてくれましたが、概ねこの寒暖差には、多くの植物たちが変調をきたしている実感があります。 脱ぎ着が出来る私たち人間でさえも、なかなか身体が追いつかず体調を崩される方が多いように感じました。 皆様、お元気でお過ごしですか?(^-^)

ガーデン写真:5月の光

 展示室入口にはウエルカムカードがお出迎え

ガーデン写真:5月の光

 当日の朝、メンバーがお庭で咲いた
草花をアレンジして飾ってくれました。
併設カフェのお持て成しメンバーとして
終日立派に香ってくれていました。

ガーデン写真:5月の光

 まだまだ準備中!開場まであと30分。
みな手分けして持ち場に散っています!

ガーデン写真:5月の光

 寒暖の激しかったこの春にも、
力強く香ってくれたハニーサックル。
柔らかなピンクの花が元気をくれます。

この文章を編んでいる5月25日~26日は、長くガーデンの学びを 重ねてきた生徒さんたちと共に、ギャラリーをお借りしての初の作品展を開催いたしました。 目黒の瀟洒で穏やかな佇まいのギャラリーに、各々のメンバーがコツコツと~ingし続けてきた「経過」が並んでゆく様子は、共に積み重ねてきた時間と想いの道程として、折々のメンバーの表情や感情などを鮮明に思い出させてくれました。

時には怒鳴りあったこともありました。共に涙で悔しがった時もありました。ドロドロになって樹木を植えた雨の日や、水分を分け合って乗りきった炎天下の作業などもありました。 結果だけに心囚われたために途中がお座なりになっているのを改めよう! ・・そのことがどうしても通じず、こちらも意固地になって譲らず、師弟双方で寂しい思いをしたこともありました。

今日を起点に振り返れば、(今となっては)楽しい 喜怒哀楽事件! 大人になってからはなかなか得難い貴重なエピソードばかりですが、 厚みのある時間のお陰で、チョッと紐解くだけでも枚挙にいとまがありません。そして今日を起点に未来を思ったとき、今日というこの中間地点は、やっぱり明日のための種になっているのだろうなと感じ、気持ちが透明になってゆくような心地がいたします。

展示作品の中には、朱で厳しい添削を入れられた学習ノートなども ありました。その隣に並べられた、丁寧で素晴らしい現在の作品。 この一連の「流れ」に感じたのは「~ingの途中をこそみて頂いて、その途中の自分にマダマダと言う。だからこそまた~ingしてゆく」・・ そうした弛まぬ歩みへの強い深い思いでした。

様々の時間を乗り越えて、今その空間に人々をお招きする喜びは ・・それこそはまさにGARDENの大きな楽しみの一つです。 今回の作品展は、そんなGARDEN空間へみなさまをお招きする気持ちで「TO THE GARDEN」と銘打ちました。この喜怒哀楽の花咲くGARDENのメンテナンスに励むガーデナーたちが、この画面の先の皆様にもお会いできる日を心待ちに、今日も丁寧にGARDENINGを続けています。

今回は初回ゆえ至らぬ点も目立ち、ご来場の皆様に逆にお気遣い いただく場面などもありました。作品の出揃いも、それぞれが各々の仕事や家庭を並行して営んでいることから、前日の夜中から当日太陽を拝んでしまうまで(^-^);の完成が殆どだったようです。これもまた、回を追うごとに少しずつ安定した方法に落ちつかせていけると思います。その時には前もって開催のアナウンスなどもさせて頂けると思い ますので、その節は共に~ingで盛り上がるべく!ぜひ足をお運び下さいませ。その日を楽しみに、またみんなで頑張ります(^-^)

まだまだ不安定な気温変化ですが、どうぞお身体に気をつけて。 お散歩がてら、雨の季節にだけ咲く、目を見張るような愛らしい草花を探しに植物園などお訪ねになるのもお勧めです。曇天の仄暗い陽の中に映える、アスチルベやハイドレンジアの葉や花の風情はまた格別です。雨が傘にパタパタと当たる音と自身の鼓動が重なるほど、ドキドキする雨の風景に出逢えたりもします。帰りがけに、併設のカフェで熱いお茶で身体を温めてから戻られてくださいね。お風邪に気をつけて素敵な6月をお過ごしください。


徳田千夏  (社)日本ガーデン・コンダクター協会 顧問

英国チェルシーフィジックガーデン ガーデン設計卒。現役ガーデンデザイナーとして
現場施工や植栽・メンテナンス現場に立つ傍ら「ガーデニングの本質にたった設計」を
鳥瞰する講演や執筆活動を続け、多くの後進指導・現場プロのサポートを務める。
植物と構造物、さらに人間とのバランスを活かし、実際の現場調査やインタビュー、
方法のポイント、図面化する技術・プレゼンテーションまで丁寧に紹介。

 編集長コラム  今月の~ingな人

「~ing」 を表現すること
- 相手に伝えるために、自分を信じるために -

私がガーデンをつくりたいと思うきっかけとなった庭(個人宅)。ふんわりといい香りがするハーブガーデンです。天国みたいに幸せなところ。
 

「いつか自分の庭をつくりたい」という夢に向かって一歩踏み出した――というのが、私自身の「~ing」。

言葉に出すと現実になる、とよく言われますが、まったくその通り。数年前から「ガーデンをつくる」と話すようにしたら、人との出会いがあり、情報が集まり、するすると導かれるようにものごとが進み始めました。話すトーンも「いつかガーデンをつくるのが夢」だったのが、「ガーデンをつくろうと思う」「土地を探し始めた」と、どんどん具体性を帯びていきました。いや、正直言って、最初は口からでまかせに近いものだったのです。が、口に出してしまったら引っ込みがつかなくなり、動かざるを得なくなってしまったのも事実で…。

「で、どんなガーデンにするの?」と質問されるようになり、今度は説明に困りました。漠としたアイデアはあったけれど、言葉だとうまく伝えられない。家族にも「よくわからないから、やりたいことをA4・1枚にまとめてくれる?」と言われる始末。それ、企画書を出せってことじゃないですか。

企画書はいつも仕事で書いているから、どうってことない…と、パソコンに向かって書いてみたものの、どうもしっくりこない。アイデアを整理して、構成を考えて、それを的確な文章に落とし込み、読みやすいよう箇条書にする。セオリー通りなのですが、これでは思いが伝わらない気がしました。そこで思い切って、手書きにしてみました。字は汚いし、ヘタな絵はついているし、見栄えは悪いけれど、意外なことにアイデアが立体的に見えるようになったのです。ぱっと見て全体像がつかみやすくなりました。

ガーデン・コンダクターの授業で、「図面は手描きが大切、最初からCADできれいに描いてはいけない」と徳田先生が繰り返し言っていたのは、こういうことだったのかと、ふと思い浮かびました。また、こうしてアイデアを文字や絵にして「見える化」することで、頭の中が驚くほど整理できました。自分の強みだけでなく、ひとりよがりになっているところ、不足している知識や情報なども浮かび上がり、次にとるべき行動が見えてきたのが大きな収穫です。

私の企画書は、まさに~ingの状態です。ウンウン悩んで仕上げた後にも、新たな情報がどんどん入ってきて、今も修正を加えています。今後、どんな段階にきても、修正は続いていくのでしょう。大きな方向さえ見誤らなければ、細部をいくら修正しても大丈夫。アンテナを張って、心は柔軟に、芯は流されず、進んでいけたらいいなと思います。

編集長/奈良貴子
フリーライター、ガーデン・コンダクター インターメディテイト修了

ガーデン仲間によるリレーエッセイ We love Garden

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