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ガーデンエッセイ

命を学ぶ / 鰐川 由香

 今の家に引っ越ししてきたとき業者と相談して植えた月桂樹は、狭い土地にもかかわらず、旺盛に成長しすぎて、ほぼ毎年大規模な剪定をしています。広い土地に植えてあげたら、もっと気持ち良い樹に成長するだろうに、と、見るたびに申し訳なく残念に思っています。

 エリカを列植してもらったこともあります。数年間はきれいな花を咲かせ、楽しませてくれましたが、1本、2本と枯れ始めて、あっという間に全滅してしまいました。跡を片付けたところ、ゴロゴロ出てきたのはネキリムシ。土を入れ替えながら、私にもう少し知識があったら、この可愛い花を咲かせてくれる木々は死なずに済んだのではないかと、なんだか涙が出るような思いでした。

 

 新しく家を建てることになり、そこが思いがけなく広い土地であるとわかって、緑(植物)との共生を思い描いた私は、もう少し真剣に、専門的に、植物に向き合いたいと考えました。その場しのぎで多少の知識を積み重ねてきましたが、所詮趣味の感覚で取り組んでいると、疲れたり、飽きてしまったり、そんな時、多分自分は庭を放置してしまうだろうと思ったからです。
言うまでもなく、相手は生き物。日々関わりあって、共に生きています。どうせなら、お互いいたわり合い、思うがまま気持ちよく暮らしていきたい。そのためには、果たさなければならない責任があり、私たちには身につけるべき知識があると思います。私にはこれが生業ではないけれど、時間をかけて真剣に学んでいきたいと思うに至りました。

 植物を考えるとは、つまり命を考えること。ガーデンのデザインを考えることは、生活の在り方について思い巡らせるということ。

 花や樹について学びながら、人間の営みを考え、それはそのまま、これからの自分の人生を考えることであるかのように(笑)、徳田先生のお話を伺っています。勤勉であり続けることはとても難しいことですが…..(笑笑) 知識も経験もないに等しい私に、造園やお花のプロの方々と机を並べて学べる場所を提供してくださったことを感謝しています。

 敷地内には、何mもの大木が幾本も葉を繁らせています。春、頭上で山桜が満開になった時、その高さゆえにしばらく誰も気づかなかったことがありました。当たり前のことですが、誰に見られなくとも、樹は見事な花を咲かせるのであり、人間は自然への闖入者に過ぎないことを改めて知る思いでした。

 彼らの良き隣人、良きパートナーになりたいと願いつつ。

 


鰐川 由香

長野県安曇野市出身。大学進学を機に上京。現在は横浜市に住む。主婦。数年のうちに、長野県原村に移住する予定。ガーデン・コンダクター ジュニア 第4期 受講中。

ガーデン仲間によるリレーエッセイ We love Garden

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