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ガーデンエッセイ

季節を感じたい  / 竹森崇

 いつの頃からか「庭」に興味を持つようになりました。きっかけは何だったのでしょう。

 実家の庭には祖父の植えたいろんな花が咲いていました。とは言え、田舎の爺さんが思い付きで植えたものばかり。今にして思えば庭と呼べるような代物ではありませんでした。なんせ周りは畑と田んぼに囲まれ、空いたスペースが「庭のようなもの」ですから。それでも幼い私には ごく当たり前に季節を感じさせてくれる物だったのです。

 雪深い長野県の北の地方です。春の訪れも遅く、「ガーデニングを楽しむ」なんて感覚は仕事として庭を意識するまでは持ち合わせていませんでした。そんな環境の中、むしろそんな環境だからこそかも知れませんが植物の動きは季節の移ろいを鮮明に伝えてくれていました。

 雪解けの下から福寿草やフキノトウが。早春には沈丁花の淡い香り。 皐月の頃には田植えをし、稲の生長を見ながら夏の庭先ではトマトやキュウリの夏野菜達が実り、周りの山々は青さを色濃くしていました。稲穂が頭を垂れる頃、青かった山の木々も朱や黄等色鮮やかに、しかし寂しげに色付き。冬には厳しい寒さに耐えながらも、葉を落とした木々は凛としてゆるぎない。

 そんな「季節」「四季」を常に身近に感じられ、さらに生活へとつながっていく事が出来るのが「庭」だと知った時、ずっと携わりたい、仕事にしてみたいと興味がわいたのだと思います。

 しかし、植物や庭を学ぶにつれその奥深さ、難しさを痛感する事ばかりです。
初めの頃はやはり見た目から入りました。「この花がきれいだから」「この木が格好いいから」「京都の○○寺のような…」 今思えば何て単純な発想だったのかと。「庭」「ガーデニング」と言うものが言葉の響きでしかわかっていませんでした。ただ単に綺麗なものでよければそれは装飾品でしかないのです。

 庭は生きています。ガーデニングは進化し続けます。~ingですから。そのことを教えて頂いた時、今までただ集めて詰め込んでいただけの情報や知識や経験が初めて「庭」として存在出来ると言う感覚になりました。そして、「全体を見る」と言う事がいかに大事なのかにも気付かされました。様々な知識や情報も適した場所で活用しなければ効果が薄くなってしまいます。ある空間の中で光、水、空気、土、植物、構造物等それぞれが適度にバランスよく存在してこそ庭なのです。

 そのバランスを取るために、詳細な知識も必要ですが、それを配置出来る全体を見渡す目がなければならないのです。 「全体を見る」「生き続けていく」 この事を意識するだけで庭の見方が大きく変わりました。ガーデニングと言う言葉に実感が持てるようになりました。

 幼い頃から見て、感じていた景色はスッと心に入って来ました。それは違和感がなかったから。つまり、バランスが取れていたのだと思います。お客様のお庭は条件が様々です。全く同じお庭はありません。その様々な条件をきちんと把握し、適切な判断をし、最適なバランスを見つける。いつも見ていた景色のような、そのバランスを庭として生かして行きたいと感じています。

 まだまだ学ぶこと身に付けなければいけないことは溢れていますが、これからも全体を見渡す目を持ちながら庭に携わり、ガーデニングを楽しんでいきたいと思っています。

写真撮影/竹森崇 

筆者紹介

竹森 崇  (ガーデン設計&施工 造園会社 勤務)
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ガーデン仲間によるリレーエッセイ We love Garden

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