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ガーデンエッセイ

私の植物遍歴  / 伊藤ひろ子

 私が植物と親しくお付き合いを始めたのは遥か昔。有名な某園芸番組を見て日当たりの良いとは言えない庭に野菜の苗を植えてみたのです。その時の私にとって植物=「食べられる実」ナスやトマトやピーマンの収穫でした。野菜製造機みたいな見方をしていたかもしれません。それでも、ひらひらの葉から丸っこい硬い実が出来る事はどうしても不思議で、育ち→花が咲き→実がなると知ってはいるけれど、目の前で起こる変化は食欲以上に心打たれる出来事でした。3年目には連作障害やら虫やらが出始めて作り続ける手間が掛けられずに尻すぼみに終わってしまったと記憶しています。その後は付かず離れず、旅先で野の花の写真を撮るくらい、が長く続きました。

 3年程前に短期間でしたが植物の勉強をする機会を得ました。樹木の種類を知りその多様性に感嘆。それぞれに異なる葉の形や質感を確かめたり、一年草、多年草の原産地を調べて何と色々な国から来ていることか!と驚愕しつつ育ててみたり。知る事がとにかく楽しい。植物の世界にすっかり魅了されました。一方、頭の中はそれらの知識で混乱、整理するのに精いっぱいでした。それでも植物との距離は格段に近くなりました。と同時にもやもやと疑問を持つ事も多くなっていました。

 まさにその時にガーデン・コンダクター(徳田先生)の講義に出会い、多岐にわたり学ばせて頂きました。その中でとりわけ心に刺さったのは、植物たちは生き残るために常に様々な選択をしている事。ここ数年の猛暑と厳冬、気象異常で植物たちが懸命に戦っている様子は素人目に露わでした。ギリギリのやりくりをして命を繋いでいる。子孫を残すという唯一つの目的で生きている。当たり前の事実に気づけば、今までの疑問も解けていく、まさに目からうろこがバサバサと落ちていく音が聞こえる体験が何度もありました。2年弱の講義を経て、植物は同じ時を生きる「仲間」であり親しい「身内」なのだと感じています。

  先日、登山が趣味のおば様が「十文字草の苗を見つけたの」と大喜びで見せに来てくれました。和菓子屋さんのおじいちゃんは風知草の一鉢をとても大切にしていて一日に何度も日当たりの良い場所に移動しています。お向かいの玄関脇にはマーガレットの定位置があり、「5年位で枯れてしまうの。だから植え替えてるの。」と何故かひそひそ小声で教えてくれました。この時期園芸店はポインセチアとシクラメンが主役。年毎に眩しく華やかになってインテリア小物のように買われていきます。人と 植物の関わりも時代や場所で様々です。そんな事が今気になっています。

写真撮影/伊藤ひろ子

筆者紹介

伊藤ひろ子

ガーデン・コンダクター ジュニア 第2期 2012年3月 修了
ガーデン・コンダクター インターメディテイト 第2期 受講中

ガーデン仲間によるリレーエッセイ We love Garden

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